大学受験生の多くが苦労する英単語の暗記。なっかなか覚えられないし、せっかく覚えてもどんどん忘れていって鬱になりますよね。僕も当たり前に経験しました。前にやったやつの意味が出てこないと、ホントに腹が立ってきます。
たぶん全ての受験勉強の中で、1番「効率的なやり方」を知りたいのがこの英単語の覚え方ではないでしょうか。今回は僕が考える単語の覚え方について話したいと思います。
英単語は覚え方の前に考え方
しょっぱなから申し訳ないけど、「英単語はこう覚えるんだよ!(バーン)」みたいなのを出すつもりはありません。理由はすごく簡単で、あれだけの数を覚えるのに、万人にとってベストなやり方なんてないからです。
もしあったとしたら、逆にそんな単純構造の人間なんてつまらないでしょ。みんな違うから世の中にいろいろな人がいて面白いんです。何かを理解したり、できるようになったりする方法は当然みんな違う。まずはここからスタートしましょう。
英単語を覚えることについても、その「方法論」を求めるんじゃなくて「自分の方法論を見つけるための考え方」を大事にしてください。自分に合うやり方を知り、「このやり方がいいんだ」と信じる。この過程を抜かした勉強法には意味がありません。
英語なんて結局単語帳を隅から隅まで覚えればいいというホリエモンみたいな人がいれば、そんなのできねーよって思う人もいる。誰にとっても1番いい方法なんて絶対にない。ありえないんです。
もちろん、効率的なやり方を知りたいと思うのはすごくいいこと。受験は結果が全てなところもあるから、効率を求める姿勢はすごく大事です。単純にやり方は人によって違うから、それを見つける方法を考えようって話です。
考え方①:単語帳はあくまで出入りするもの
考え方の1つ目として、まずは単語帳について。みんな当たり前に使うけど、そもそも単語帳を使って覚えるってどういうことなのさ!って話から始めたいと思います。
単語の効率的な覚え方を求めているときって、ついつい無駄なことはしたくないなと思ってしまい、その結果「この単語帳に載ってる単語をいかに早く覚え、そして忘れないか」と無意識に考えていると思います。
これがダメ。狭すぎる。こういう人はこの時点で考え方的に出遅れてしまっています。
そもそも、英単語を単語帳でだけで覚えるのが本当に効率的なのかな。英単語に限らず全てのことは、関連することが多ければ多いほど覚えやすくなるのが普通なんです。
たとえば、「○○くんって分かる?」「えー、誰それ?」「ほら陸部のさぁ」「あー!」みたいな会話。想像つくでしょ?名前だけじゃ思い出せなくても、そこに「部活」という別のひっかかり方があるとかなり覚えやすくなります。
英単語もこれと全く同じ。単語帳の中だけで覚えようとするのは、このつながりが1種類しかない中で戦うような話で、すごく大変なんです。これは当たり前のこと。今まで苦労してたとしたら、その苦労も当たり前だったわけです。
本当に覚えようと思ったら単語帳以外でもつながりがあること、僕はこれを「再会」と呼んでるけど、これがなきゃ辛いし、逆にその再会があればずっと覚えやすくなります。
ただし、ちゃんと顔を見て覚えておかなければ再会したとしてもそれに気づけません。だから単語帳で覚えるのはやっぱり大事。でも1度ちゃんと覚えた事実があれば、忘れるのはあまり気にしなくていいんです。
くり返したりしながら、再会の場面が増えるを待ちましょう。一生懸命覚え、また別の場所で会えることを期待する。瞬間的には頑張るけど全体的には緩く構える。この姿勢を持ってください。
考え方②:短時間でできることは基本全部やる
考え方の2つ目は、実際にどうやってやり方を決めるのかについてです。ここで絶対に忘れてほしくないのが、受験生は時間が限られていることです。絶対に試験日が決まっていて、それまでに全てを終わらせなければいけません。
つまり、出来る限り「早くできる」と思えることをやるのが大事になってきます。
早くできることって何でしょうか。いろんな答えがあっていいと思うんだけど、僕は「見る」ことだと思いました。とにかく見る。1日の範囲を決めたらそれをくり返し見る。少なくとも書くよりは絶対早いはず。
あとで僕がやった方法を話すけど、まずはだいたい6回くらい見ることからやってました。そうすれば見て覚えられるやつと覚えられないやつに分けることができます。
そうしたら次に、この「見て覚えられなかったやつ」をまた最速で処理できる方法を考えます。ノートにひたすら書くのもいいし、カードを作るのもいい。覚えられなかった単語だけをまとめたノートを作って、それをまた何回も見るでもいい。
とにかくここはどんな方法でもいいんです。大事なのは「こいつは書いて覚えたな」とか「カードにしたよな」っていう、見ただけとは違う情報があること。この1点さえあればOK。
「見て覚える」だけでなくそういった他の経験を覚えておければ、さっきも言ったように覚えやすさや定着率が格段によくなります。そこまでやったら、忘れることなんか気にせず、文法問題や長文問題の中で再会するのを待てばいいのです。
考え方③:単語帳にCDはいらない
方法論の話でよく聞かれ、正直ちょっともううんざりしてるのが「CDを使って覚えるべきでしょうか」という質問です。これを考え方の3つ目として取り上げておきたいと思います。
「単語は必ず音で聞いて覚えましょう。CDのついてない単語帳は問題外よ!」みたいなのってよく言われるよね。特にここ数年の流行りと言っていいでしょう。ただ、僕はいつも一言、「いらね」と言っています。
たしかに、人が持つ5感をできる限り使った方が覚えやすいのは間違いありません。目だけじゃなく耳も、口も、鼻も(?)手触りも(?)使うべき。さっきから言っているようにいろんな情報が組合わさった方が覚えやすいんだから、これは当然でしょ。
ただ、だからといって単語帳についているCDを聞くことが望ましいのか。これは別の問題です。
単語帳に付属のCDには、載っている単語全ての発音が収録されています。単語帳によってはご丁寧に単語帳がなくても使えるように日本語まで入っているものもあったりします。
親切だとは思うけれど、これを聞くのに受験生はいったいどれだけの時間を使うのでしょうか。これはもう見ただけで覚えられたよ、音声はいらないよっていう単語だって絶対にあるはずなのに。
もちろん、1回聞けば済むものではありません。CD推しの人は「発音できない音は聞き取れない」っていうことをCD不可欠論の根拠として言うけれど、発音できるまでにいったい何回聞けばいいと思っているんでしょうか。
大学に入って外国語を取ると、ネイティブの先生に必ず発音を直されます。僕はフランス語を選んだんだけど、いったいどれだけ「ノンノンノンノンノン」と言われたことか。発音できるってかなり時間がかかるのです。
くり返しになるけれど、受験生は時間が限られています。何浪してもいいなら話は別だけど、ほとんどの人は限られた時間の中で最大限のレベルアップをしなきゃいけません。時間がたくさんあった浪人経験者のアドバイスでよく欠けている視点だったりもします。
それにこれもくり返しになるけれど、そもそも単語帳の中だけで覚えること自体が非効率。だから付属のCDを使って単語帳の単語を覚えることを、僕は勧めないのです。
CDを使えばたしかに使わないよりは覚えやすく、忘れにくくなるでしょう。でもそれをするのにいったいどれだけ時間を使うの?っていう、失うものの方も考える。単語に限らず受験勉強全てにおいて、この意識を持っておきましょう。
このCDの件について補足をすると、覚えられない単語や読み方が全く分からない単語は電子辞書で調べて発音を聞くのが1番いいでしょう。ピンポイントにその単語だけを、何回でも聞くことができますよね。
たとえ電子辞書がなかったとしても、このサイトを見れている君はネット上の辞書を使えば意味を調べることも音を聞くこともできます。電子辞書はたしかに使い勝手がいいから持つことを勧めるけれど、なくたって全然問題なく出来るんです。
高校ネットゼミのオススメ方法
最後に、一応僕がやった方法を紹介します。キーワードは【日割り】【カード】【青ペン】【印】の4つ。
単語帳を日割りにする
まず、絶対に覚えなければいけない範囲までを僕は6等分にしました。6等分ってのは、日曜日を休息日にして、それ以外の日で割るという意味です。とにかく1週間で単語帳を1周し、反復の回数を増やすことを僕はしました。
絶対に覚えなければいけない範囲、これは単語帳ごとに切りがいい最低限のところってのがあると思うけど、それのこと。たとえばターゲット1900なら1500までとか。こうして区切られたもの1つ分、それが1日の単語のノルマです。
順番に月曜〜土曜までを書き込みました。これをすることのメリットは、できない日があっても気にしないことです。いくら受験勉強は頑張らなきゃいけないとはいえ、長期にわたる中では絶対にできない日が出てきます。
遊ぶ約束があったり、体調不良で寝込んだり、どーしてもやる気にならない日があったり、そんなのはあって当たり前。問題なのは、それによって全ての範囲の反復が1日ずつ遅れること。
それよりは曜日ことに覚える範囲を決めた方が、全体への影響が少なくすみます。それに今週は月曜サボったから、来週は絶対にサボれねぇみたいな気持ちも湧いてくるのでオススメです。
カードを使う
すでにもう言ったけれど、日割りにしたものを僕は毎日6回ずつ見ました。別に6回である必要はありません。単に「できた/できない」を分別するのに僕は6回がしっくりくるなと思ったからです。
こうして振るい落とされた「嫌いな単語ちゃんたち」を、次はカードにしました。もちろん表に単語を書き、裏に意味を書いたよ。このひとまず1度書くっていう行為自体がさっきも言ったけど覚えるきっかけになるものです。
使ったカードは少しいい紙の名刺サイズのもの。リングがついたのが100均で売ってるけど、これだけは少しこだわってました。1周したらきって、また繰り返す。これにはちょっと厚めの手頃な大きさが圧倒的にやりやすいからです。トランプのサイズって言ったほうが分かりやすいかな。
このカード自体はとても気に入っていて、今でも覚えたいことやアイディアをメモしておくのに使っています。
青ペンで書きなぐる
見て、カードにして、それでも覚えられなかった単語や、「これ先週もカード作ったし」みたいな単語は最終手段として書きまくって覚えました。スペルの長い単語なんかは書いて身体で覚えた方が早いと思って最初から書く組に入れてたりも。
その際に使ったのが青ペンです。何で青ペンかというと、どうやらこれが目でみて覚えやすい色ならしいです。同級生が早稲田塾に行っていて、そこで教わったと言ってガリガリやってたのをパクりました。
ちなみにこの青ペンガリガリなやり方は早稲田塾の伝統(?)らしく、青ペンを使って書く覚え方がいかに効果的なのかっていう内容の本も出ています。
僕は比較的「とりあえず信じてやってみる」タイプの人間なので、「へー、そうなんだ、俺もやってみよ!」くらいの感覚で始めました。
ただ、当時その友達は「使ったペンの数、書き尽くしたノートの冊数がまたやる気につながる」なんて言ってたけど、僕は「いや、そんなことしたら片腕失うわ!」と思って、ひたすら見る、カードを作るという予選を通過しやがった単語だけに絞ってこの最終奥義を使ってました。
意味が分からなかった単語に線を引く
僕のやり方、最後は分からない単語があったら、単語帳のさくいんのところに線を引いておくというものです。これはガリガリ覚えるときではなくて、受験勉強の後半で長文を読んだりしているときに分からない単語が出てきたときの話。
大前提として、僕は分からない単語があったら、まずは単語帳で調べていました。オススメの単語帳でも話したけれど、単語帳はそもそも受験で大事な単語なのかどうかを判断してくれるものです。
単語帳にあるかないかで、その単語が絶対に覚えなきゃいけないものなのかどうかってことがまずは判断できます。そしてもし載っていた場合、それは覚えておかなきゃいけないのにできていなかったということなので、チェックが必要です。
そのチェックを僕はさくいんの単語がズラーっと並んでいるページにしていました。調べるときはもちろんさくいんから載っているページを探すからです。その単語にカラーペンとかで線を引いておきます。
そうすると、次また調べたときに、そこに線が引っ張ってあったらショックを受けるわけです。「げ、前も調べたやつじゃんこれ」と。そこでまずは必死に思い出そうとする。そしてそのページを見て確認します。
ここで大事なことは、思い出せようができなかろうが、さくいんに2本目の線を引くことです。分からなかったらその回数分だけの線を残しましょう。そうすれば、少しずつでも着実に印象が強くなっていきます。
まとめ
以上が単語を覚えることについての僕の考えと、僕が受験生のときにやっていた方法の紹介でした。ただ、今受験生に戻るとしたら、もう少し青ペンで書く作業を減らすなとは思っています。やっぱり当時は緩く構えるっていうのが全く考えられてなかった。
バカみたいにがむしゃらにやるのではなく、かといって魔法の方法があると信じるのでもなく、受験勉強全体を捉えた上で自分なりの方法を模索する。それができるようになるサイトを作っていけたらなと思います。