室町時代の社会経済①〜くらし・農業・職人の話

前回の応仁の乱は、戦国時代の始まりでもあります。そこで次に行く前に室町時代や室町幕府に関わることで残ってるものをまとめていきましょう。今回はまず社会経済の前半戦。

室町時代の社会経済は決まって鎌倉時代の社会経済と混ぜて問題が作られるので、必ず室町はどうで鎌倉はどうだったのかを比較しながら覚えましょう。

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惣村

社会経済は基本的に室町時代の一般人がどう暮らしていたかについて話すものです。奈良時代から荘園公領制の元で暮らしていた百姓たちは、鎌倉時代後半に地頭がドヤ顔で支配してくることで、随分と変わってきます。

それまでは「この土地は誰のものか」という支配主によって分断されていました。同国内でも本所が違えば、たとえ隣の家でも無関係だったのです。

それが地頭が進出してくることで、1人の人がある程度の広さを全て支配する形になります。これによってお隣さんが同じ立場になりました。

そうなると、当然コミュニケーションも生まれます。そして次第に近くの人同士が集まるようになり、自発的な「村」が生まれました。血縁ではなく地縁で結ばれた単位はこの頃が最初なのです。

この新しく生まれた村のことを、惣村(そうそん)、あるいは村を取ってと言います。惣領制とは意味が全然違うのに、似た名前をしているのが紛らわしいんだよね。気をつけてください。

正確には鎌倉後半からあるけど、とにかく惣村といったら室町と覚えておきましょう。

惣村のリーダー

この惣村は、今で言えば町内会みたいなものです。集まりにはやっぱりリーダーが必要で、町内会長にあたる人のことを乙名(おとな)、沙汰人(ざたにん)、番頭(ばんとう)、年寄(としより)などと言いました。

地域によって呼び名が違います。

惣村の仕組み

惣村の人たちはいろんな工夫をしました。他人のものをパクっちゃダメみたいなルールを作り、破った人はきちんと罰します。このルールが惣掟(そうおきて)、罰するための警察的な行いが自検断(じけんだん)、あるいは地下検断です。

それから集会所や公園みたいにみんなで使う共同利用地を入会地(いりあいち)と言います。また領主に納める年貢も全員1回で運びました。百姓請、あるいは村請地下請(じげうけ)です。こういったことは寄合(よりあい)と呼ばれる会議で決まります。

最後、地域の祭りみたいなものがあって、その実行委員会が宮座(みやざ)でした。由来は神社に集まってミーティングをしていたからで、何かあるとこの人たちを中心に結束力を高め合います。

この高め方を一味神水(いちみじんすい)や一味同心(どうしん)と言います。

惣百姓の抵抗

なんで結束力を高めるか。もちろん祭りをやるテンションを上げることもあるけど、領主がひどい奴だったときに一丸となって抵抗することもよくありました。この抵抗には4種類あります。

みんなでお願いに行くのが愁訴(しゅうそ)と強訴(ごうそ)です。違いは「お願いします。。。(泣)」という態度か、「ふざけるな!」っていうクレームみたいな態度か。また、もうみんなで逃げるというのもありました。逃散(ひさん)です。

もう1つは土一揆、前回やりましたね。みんなで武器を持って乗り込みます。

室町時代の農業

鎌倉時代に二毛作が始まった農業は、室町時代になって三毛作になります。米・麦に続き、この時代に加わったのはソバです。米の品種改良も進み、できる時期によって早稲(わせ)・中稲(なかて)・晩稲(おくて)と呼ばれました。

肥料もこれまでは刈敷と草木灰の2つだったけど、この時代に下肥(しもごえ)が加わりました。要は排泄物のことです。1番簡単な肥料と思う人も多いけど、発酵させて菌を増やさないと肥料として効果を出さないんです。ちょっとテマとテクがかかるもの。

また室町時代には商品作物が生まれます。食うためのものじゃなくて生活用品に使えるもので、売ってお金にできます。代表的なのは油が取れる荏胡麻(えごま)。

他にも桑・楮(こうぞ)などがあるけれど、江戸時代でまた触れたいと思います。

鍛冶と鋳物師の誕生

農業が発達した背景には1つとして農具の発達という要因もありました。鎌倉時代に武士という立場が明確になると、その武器である刀を専門に作る職人が生まれました。つまり鉄を扱う人たちです。

インターネットがそうであるように、技術というのは戦争に使われるために開発され、そのあとみんなが利用するものになっていくパターンが多い。この場合の鉄もそうで、優れた刀が作られるようになったあと、その技術が農具や生活用品に使われます。

室町時代では2つ、鍛冶(かじ)と鋳物師(いもじ)という職人を覚えておきましょう。前者が基本的に武器を作る人たち、後者が釜とか鍋みたいな生活用品を作る人たちです。ひとまずここまでを社会経済の前半とします。

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