原級の劣等比較とasの後ろの語順〜原級はそもそも「≧」である

原級の2回目です。今回は劣等比較とasの後ろの語順について。前回と今回は原級の文を使いながら比較全般に共通する話をしているので、この2回のことは完全に理解することを目指してください。

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原級の劣等比較

・I am not as busy as you.
・I can’t play tennis so well as you.
・Nothing is so delicious as the oyster.

比較表現を使った文の動詞にnotが付いている場合、これを「劣等比較」と呼びます。「AはBより〜だ」が「AはBより〜ではない」となるだけなんだけど、ちょいちょい落とし穴があるので注意が必要です。

[as ~ as…]の本当の意味

1つ目の文は、[I am not busy.]に原級の比較構文をくっつけたもの。さあさあ、この文はどういう意味になると思いますか?

よくやってしまう間違えが「私はあなたと同じくらい忙しくない」と訳してしまうものです。いや、普通に考えたらこうなって当然だと思う。

これが原級の劣等比較の落とし穴。原級の文にnotが付くと、「AはBほど〜ではない」という意味になります。つまり「同じくらい」っていう原級の訳が無くなってしまうのです。これは絶対に覚えておこう。

なぜそうなるかというと、この[as ~ as…]は本当は「以上」という意味なんです。記号で言えば「≧」、つまり「同じか、それより上」ってこと。

なぜそう決まっているかというと、「同じくらいの年齢」って言われても、それだけじゃ困るでしょ。何歳差でもいいから、どっちが年上かが知りたいじゃん。それによって敬語をどう使うかが決まるんだから。

年齢をあまり気にしない欧米だって、「同じくらいの役職」って言われたら困るのは同じ。だから「近いけどBより下ってことはないよ」という内容が欲しい。それがこの[as ~ as…]が表すものなんです。

前回、「彼は錦織圭と同じくらいテニスをするのが上手い」という例文を出したけど、あれは正確には「錦織圭と同じか、それより上」って意味なんですね。ジョコビッチとかを指していればいいけど、日本人だったらちょっとありえない文でした。

この「≧」を否定するとどうなるかというと、「<」になります。「=」であることも否定されているので、それより劣っているという状況しかもうないわけ。だから原級の劣等比較は「…ほど〜ではない」となるのでした。

so ~ as…も可

原級の劣等比較は、2文目のように前のasをsoに代えることができます。できますっていうだけで、別に変えるのが普通ってわけではありません。

「同じくらい」っていう意味がなくなってしまうことを表すために【as 〜 as】という形を解除するっていうイメージくらいでいると分かりやすいと思います。

ちなみに、「AはBほど〜ではない」っていう表現は、「AはBより〜じゃない」あるいは「BはAより〜だ」って言っているのと同じことです。

だから詳しい話は次回だけど、原級の劣等比較は比較級との書き換えがよく出てくるよ。

主語を否定にしてしまう

劣等比較を作るもう1つのパターンが、主語に【no】をつけるものです。NothingとかNoneなどがあります。
否定の主語って言われると難しく感じるけれど、先に主語以外の部分を訳し、それが関係詞かのように「〜な主語はない」としてもらえればOK。

なので、3つ目の文は「牡蠣(カキ)より美味しいものはない」と訳してください。はい、私は牡蠣好きでございます。

so・as・how・tooは形容詞や副詞を呼びつける

原級に関する話の最後として、1つ目のasの後ろは語順に注意が必要だよってことを紹介します。「彼は金八先生と同じくらいいい先生です」っていうのを英語にできるでしょうか。

まずは比較の部分を抜き取った「彼はいい先生です」っていう部分を英語にします。もちろん[He is a good teacher.]です。

そこに原級の比較構文(as as Kinpachi)を加えると、[He is as a good teacher as Kinpachi.]となります。普通に考えたらこれで完成です。

でも、この文は不正解となります。というのも、asの後ろに形容詞や副詞がある場合、まずはそれを直後に置くというルールがあるからです。

このため、この文は[He is as good a teacher as Kimpachi.]としなければいけません。比較のルールではなく、単純にasという単語が勝手に持っているワガママな性格の話なんだけどね。

そして全く同じ性格を持っている単語として、so・how・tooなどがあります。だから劣等比較でsoを使っても同じ。あと「いくら?」って聞くとき[How much〜?]と言うでしょ?これもこのルールのためです。

前回出した例文の2つ目が[He is as good a player as you.]となっていたのも、実はこのルールによるためでした。もし「なんでだ?」って疑問を持った人がいたら、相当いいセンスをしていると思います。

とにかく、この話は比較だけの話ではないので、とっても大事。すぐには気づけないと思うけれど、知識としては絶対に持っていなきゃダメです。

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