原級・比較級・最上級の説明が一通り終わったので、比較の文を他の級でも同じ内容を表せるようにする、書き換えの話をします。
メインは最上級の文を原級と比較級にそれぞれ書き換えるもの。比較級と原級の書き換えを先に片付けてしまいましょう。
比較級=原級の劣等比較
・He is not so tall as I.
・I am taller than he.
原級の劣等比較について話した際に、比較対象が逆になった比較級と同じだよと言いました。一応確認しておきたいと思います。
上の文は「彼は私ほど高くない」という文です。原級が劣等比較になると「…と同じくらい〜でない」ではなくて、「…ほど〜ではない」という意味になることを思い出してください。
じゃあ下の文、こちらは「私は彼より高い」です。1mmも難しくないでしょう。「彼は私ほど高くない」と「私は彼より高い」、同じ意味だよね?
もちろん込められたニュアンスは違うよ。「あいつも高いけど私ほどじゃない」みたいなことは原級で言ったほうがなんか雰囲気が出るでしょ?
言い方が違うんだから、そういう細かい話まではイコールになりません。
でも、私が彼より高いという事実は同じ。書き換えってのは「分かるけどなんか違和感が残る」くらいの話なんだと思っておきましょう。
最上級の書き換え
・Tokyo is the largest city in Japan.
= Tokyo is larger than any other city in Japan.
= No other city in Japan is so large as Tokyo.
= No other city in Japan is larger than Tokyo.
では、メインである最上級の書き換えについてです。「○○が一番!」というのを「他のものと同じかそれ以上に○○はいい」と書き換えるもの。
こちらも上と同じく「たしかに内容的には○○が一番ってところは変わらないけど、後者の方が控えめ」な感じがします。その通り。
「○○が一番!」という最上級はケチをつけられやすいんです。自分が一番かわいい/かっこいいと思う人って他の人の同意をもらえなかったりするでしょ。
だから「他にもすごいのはあるけど、それに負けず劣らず〜だよ」という言い方をすることが多い。その感覚が最上級を他の級で表現することになります。
ということで、その細かいニュアンスを抜きにすると、上に挙げた4つの例文は全て同じ、「東京は日本で1番デカい都市だ」という意味です。
最上級の書き換えはまず2パターンと覚えましょう。比較対象を「他の全てより」といじるタイプと、主語を「他のものがない」とするタイプです。
any other 単数名詞
まず、比較対象をいじるタイプは【any other】という表現を使って「他のどんなものより◯◯」という形を作ります。他の全てより勝ってるから最上級と同じという解釈です。
注意点は2つ、まずこちらは比較級でしか書き換えられません。それと、【any other】の後ろには必ず単数名詞がきます。他全部というと複数あるに決まってるんだけど、ここは単数名詞になるのがルール。
No other 単数名詞
もう1つの主語をいじるパターンで使うのは【No other】です。これの前提として「AはBより◯◯」と「BはAより◯◯じゃない」はもちろん同じ意味です。大丈夫かな。
そしたら【any other】を主語に持ってきて【not】を足したら同じ意味になるのも大丈夫でしょう。そして【not any】と【no】は同じ意味になります。だから【No other】が同意表現になるのです。
こちらもotherの後ろは単数名詞。そしてこちらのパターンでは原級を使うことができます。「東京と同じくらい大きい都市は他にはない」。soのところはもちろんasでも大丈夫です。
名詞が「もの・こと(=thing)」のとき
Health is the most important thing (of all).
= Health is more important than anything else.
= Nothing is so important as health.
= Nothing is more important than health.
さっきは名詞が「都市」でした。これが何になろうが全部形は同じなんだけれど、「もの・こと」になったときはちょっと変わります。
というのも、「もの・こと」を表す【thing】はanyやnoと仲が良くて、並ぶと[anything]・[nothing]と合体してしまうからです。
置く場所はなんも変わらないからいいんだけど、この[〜thing]の場合はotherを使わなくなります。そして比較対象をいじるときは代わりに同じような意味の[else]を置く。これだけ覚えておきましょう。
最後に、これと全く同じことが「人」でも言えます。[anybody]・[nobody]があるからね。問題で使われている単語が「もの・こと・人」だったらちょっと注意してください。