比較は必ず比較対象を意識することが大事で、原級と比較級は2つの中で、最上級は3つ以上の中で比べているという話をしてきました。
ただ、これについてもやっぱり例外的なものがあります。今回はその例外パターン3つを紹介します。
比較対象が1つの比較級
- She is more cute than beautiful.
- He is more of a teacher than a scholar.
まずは【比較対象が1つの比較級】という話です。先に例文の訳から言ってしまうと、上が「彼女はキレイというよりもカワイイ」で、下が「彼は学者というよりは教師だ」となります。
上の文は「彼女」についてだけ、下の文は「彼」についてだけしか言っていません。要はこういうことで、ある人やモノについて、「◯◯というよりは△△かな」という説明をするときに使います。
このとき、英文の形は必ず【more 原級 than 原級】となります。原級と書いたのは、比較基準をそのまま書くという意味で、要は単純にmore型の比較級と理解してくれれば大丈夫。
気をつけなければいけないのが、今までthanの後ろには主語と同類の比較対象がきました。ただ、この場合は「美しい」と「かわいい」など、比較基準と同類の単語がきます。これは結構特別です。
比較対象が1つの最上級
- This lake is the deepest in Japan.
- This lake is deepest at this point.
- She feels happiest when she goes shopping.
続いては【比較対象が1つの最上級】です。さっきの比較級と同じく、比較対象が1つというのは主語にきているものの中で比べているということ。
1つ目の例文は普通の文なので湖がいろいろある中でこの湖が1番深いと言っています。ちなみに日本で1番深い湖は田沢湖です。
2つ目が今回のテーマである比較対象が1つしかない文です。意味が「この湖の中でここが1番深い」になるのはなんとなく予想がつくかな。
田沢湖で言えば、一番深いところが423.4mあるらしいけど、その地点です。
ここで大事なことは、最上級でしかも形容詞にestが付いているのに、[the]がないということです。これさえ間違わなければ大丈夫。
最後の文は「彼女は買い物してる時が1番幸せ」となります。
比較対象が2つの最上級
- He is the taller of the two.
最後は【比較対象が2つの最上級】。「2つのうちで〜な方」って言い方があると思います。「カワイイ方」とか「背の高い方」みたいに。この場面の表し方です。
対象が2つだから比較級のような気もするけれど、「AはBより〜だ」の形になっていない。逆に「〜のうちで」は最上級の言い方だけど、最上級は比較対象が3つ以上のとき。
こんな感じでとても中途半端な表現になるんだけど、これを【the 比較級 of the two】という形で使ってください。比較級の[~er]と最上級の[the … of~]を合体させた、本当に中途半端な形。
実際のところは比較級の特殊系に分類されるけれど、僕は最上級の特殊系と教えることにしています。
そうすることで、今回の講義のように「比較対象が足りない3点セット」として整理できるから。
- 比較対象が2つ必要な比較級で1つのとき→【more 原級 than 原級】
- 比較対象が3つ必要な最上級で1つのとき→【~est ...(theを消す)】
- 比較対象が3つ必要な最上級で2つのとき→【the 比較級 of the two】
正確な知識かどうかよりも、できるようになることを優先したい人はこの形で覚えて置くことをオススメします。