完了形の説明が一通り終わりました。次の説明に行く前に、定番問題の紹介をします。
「彼が死んで10年になる」の書き換えと、「have gone toとhave been to」の区別の2つを見ていきましょう。
現在完了の書き換え
まずは現在完了の書き換えについての問題です。いきなり例文を5つ出します。これらは全て「彼が死んで10年になる」の意味。それぞれがどう違うのかを確認しましょう。
- It has been ten years since he died.
- It is ten years since he died.
- The years have passed since he died.
- He died ten years ago.
- He has been dead for ten years.
1番目が最も基本的な書き方です。時間は主語を[it]で書くのが普通で、その「時」がずっと継続してることを表すために現在完了が使われます。
この完了形をただの基本形にしてしまったのが2番目の文。これは文法的には正しくありません。でも、普通に使われすぎて「もう正解でいいよ」となった形です。マジで。
3つ目は時間を主語にしたもの。動詞が[pass]に代わっていることに気をつけてください。こっちに関しては常に現在完了で書きます。
4つ目は単純に過去の事実として書いたもの。基本的にはこの4つが書き換えのパターンとなります。以下のものを「〜して…経つ」の表現4つと覚えておきましょう。
- It has been 期間 sinceSV.
- It is 期間 sinceSV.
- 期間 have passed sinceSV.
- SV 期間 ago.
「死ぬ」が使われる理由
この書き換えに「死ぬ」という暗い話がよく使われるのは、これによって書き換えパターンがもう1つ増えるからでしょう。それは[dead]という形容詞があるから。
「デッド」、よく聞く言葉ですよね。映画のタイトルとかでは特によく見る気がします。マーベルヒーローものの『デッドプール』やパイレーツ・オブ・カリビアンの2作目は『デッドマンズ・チェスト』でした。
この[dead]を使って5つ目の文が作られます。直訳すれば「彼は10年間の間死んでいる状態だ」。我々日本人的には「そんな言い方しねーよ」と思うけれど、外国人的には普通のことなんです。
ゾンビでもミイラでもいいですが、一度死んでも元の姿を残してますよね。大体はちょっとドロドロしてるから70%くらいな感じだけど、そのまま墓場に埋められています。
これらをイメージすると、死んだ状態でいるっていうことが何となく分かりませんか?10年間死んでたけど、突然生き返るみたいなストーリーがありますよね。
キリスト教だろうがイスラム教だろうが、基本的には死者は土葬をされます。つまり、死者の精神は天国に行くけど、肉体は十字架の下で横になっている。
これが「デッドでいる状態」でした。どれが出ても不思議じゃないので、現在完了の書き換えは必ず5つを完璧に覚えておきましょう。
have gone toとhave been toの区別
完了形の定番問題、もう1つがhave gone toとhave been toの違いです。中学で必ず習う話だし、出題率は低いけれど、会話では使えるので一応確認します。
過去にどこかへ行ったことから今を語りたいとき、[have been to]と[have gone to]の2つの言い方があります。これは今がどうなっているかで使い分けましょう。
行ったけど今は戻ってきている場合、それは[have been to]を使います。体験談を語ったり、「用事を済ませてきた」みたいな話をするときはこちらです。
それに対して今もいない場合、つまり行きっぱなしの場合は[have gone to]です。不在を伝える場合とかに使います。
戻ってきているかどうか、判断の基準はこれだけなので簡単でしょう。以上で現在完了の話はおしまいです。
長かった時制もあとは「時制の一致」という話を残すのみとなりました。あと2回、頑張りましょう!