不完全な動名詞句という話をします。不定詞のところでも「不完全な不定詞句」がありましたよね。あの例外は実は動名詞にもあるんです。
不定詞と動名詞は何かと比べられるので、これもそのうちの1つとして、どんなタイミングで登場するかを整理していきましょう。
不完全な動名詞句
- This computer needs repairing.(このパソコンは修理が必要だ)
- This movie is worth watching.(この映画は見る価値がある)
不完全な不定詞句とは、不定詞の中に目的語が足りない状況が生まれるパターンがあるという話でした。今回の不完全な動名詞句も基本的には同じ話です。
上の例文で動名詞になっているrepairもreadも他動詞です。だけど目的語が見当たらない。これが不完全と呼ばれる所以です。
ただ、何を修理するのか、何を読むのかと聞かれたら、簡単ですよね。修理するのはthis computerだし、読むのもthis movie。
近すぎて繰り返す必要がないから省略されています。
不定詞のときは全部で13パターンのうちの3つがこれになるという話でした。①形容詞の【目的格】、②副詞的用法の【程度】、③同じく副詞的用法の【限定】です。
不定詞がこんなふうにパターンによって決まっていたのに対し、動名詞の場合は単語によって不完全になる場合が決まります。それが以下の4つです。
- need
- want
- repair
- be worth
これを押さえておけばまずは大丈夫でしょう。前3つは全て「〜を必要とする」の意味でOK。be worthは「〜する価値がある」の意味になります。
worthは前置詞
ちょっと「worth」という単語に触れておきます。「価値がある」という意味ですが、この単語はちょっと特殊で、前置詞と形容詞が混ざったような性質を持っています。
形容詞っぽく見えるけど、前置詞だと理解しておきましょう。前置詞なので、後ろに動名詞が来れるのです。
不定詞の受身じゃないの?
上の例文と同じものですが、問題を解くという目線からちょっと見てみてください。カッコ内の動詞を正しい形に直せという問題です。
- This computer needs (repair).
こういうときは、まずその動詞が自動詞か他動詞かを考えなきゃいけないんでした。「修理する→何を?」なので、[repair]は他動詞です。
他動詞なのにも関わらず目的語が無いから受け身を選ぶ。本来であればこの作業が一番最初に来ます。実際、意味で考えても「コンピューターは修理される」ですよね。
ではその次は何を考えるべきでしょうか?それは、[need]の目的語として不定詞と動名詞のどちらを使うの選択です。
「〜する必要がある!」って言ったら、それはこれからやることですよね。「やらなきゃ」っていうのはまだやっていないことに対して言うことでしょ?
なので、不定詞を選ばなければなりません。つまり、問題として問われたら[to be repaired]が答えになるんです。実際、これは別に間違えではありません。
ただ、[need・want・require]などの「〜する必要がある」系動詞は、動名詞を能動の状態で置くことで、この受け身的な内容を表すことができるという性質を持っています。
だから今回のテーマのように、動名詞で書くことができるし、そのときは2重になるのを嫌って不完全な状態になるのです。
そして、[This computer needs to be repaired.]は間違っていないのですが、動名詞で書いたほうが簡単ですよね?
なので、「なんでわざわざこっちで書いた?」という印象を保たれる表現になってしまうのです。
だから[need・want・require・be worth]は不完全な動名詞句を使うのが一般的です。
今回のまとめ
ということで、今回は不完全な動名詞句についてでした。とにかく[need・want・require]の4つをセットで覚えておきましょう。
それから、上でやったみたいに動詞の態を常に考えることが重要です。こんな感じでやるんだよっていうのを、少し実践っぽくやってみたので、問題を解くときにぜひ同じ様にやってみてくださいね。
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