文型を個別に語っていくシリーズ、最後は第4文型と第5文型についてです。今回で五文型についてはほぼマスターできたも同然。
ただ、第5文型は不定詞などの文法を理解したあとじゃないと半分以上解けません。だから今回は第4文型の話がほとんどです。
とは言っても、余裕で1回分の量になってしまうくらい、第4文型だけでは話しておきたいことがたくさんあるので、しっかりやっていきましょう。
第4文型
【SVOO】の型である第4文型。文型から文の意味が分かるという話をしたときに、第4文型は「SはO1にO2を与える」という意味になることを言いました。
単語自体は後ほど並べるけど、「あげる」「見せてあげる」「教えてあげる」「送ってあげる」「作ってあげる」と言えるようなもの。
もちろんこの「あげる」は恩を売るという意味ではなく、単純に物や情報を相手に渡すという意味で使っています。
とにかく、この「SはO1にO2を与える」を表すのが第4文型です。O1には人が、O2には人以外のものが入ります。
では、第4文型に関する問題としてどんなものが作られるか。大きく分けて3パターンあるので順番に紹介します。
意味にクセのある動詞
まずは今述べた「SはO1にO2を与える」から少しはみ出す動詞です。第4文型を作る動詞には、「与える」の意味の【変化版】と、正反対の意味として【「奪う」系】の動詞もあります。
「与える」の変化系:do・leave・deny
doには第4文型で「O1にO2を与える」の意味があります。意味が特別なわけではないけれど、あまり知られてないのでここに加えてあります。
次のleaveは「O1にO2を残す」です。「与える」の変化系だね。通常は「否定する」の意味のdenyは、第4文型になると「O1にO2を与えない」という否定の形になります。
「奪う」系
続いては「与える」ではなくて、むしろ「奪う」系のもの。何を奪うのかによって動詞が異なるので、そこをセットで覚えてください。
- owe OO:O1からO2(金)を借りる
- spare OO:O1からO2(時間)を省く
- save OO:O1からO2(時間)を省く
- take OO:O1にO2(時間)がかかる
- cost OO:O1にO2(金・犠牲)がかかる
意味からするとSVOO型だと誤解しやすい動詞
続いては、「意味的には第4文型だけど、そうならない動詞」です。たとえば「提案する」の文を作るとき、その文は第4文型で書くことが想像できます。
何故かと言うと、提案する相手がいるわけだし、提案する内容があるからです。内容から使う文型を想像してみようね。
ただ、「たしかに意味的にはそうなんだけど、ごめん!、この動詞では第4文型にできないので、前置詞を使って!」という動詞があるんです。それがこの話。
この「提案する」では、動詞はsuggestやproposeが使われるけれど、どちらも内容しか目的語に取れず、相手には前置詞のtoを加えなければいけないルールがあります。
この2つを含めて、意味的には第4だけど第3で書かなきゃいけない動詞の仲間をまとめます。特にsayとかhelpとかは無茶苦茶出てくるので、絶対に知ってなきゃいけません。
- suggest to人 内容:提案する
- propose to人 内容:提案する
- explain to人 内容:説明する
- say to人 内容:言う
- admit to人 内容:認める
- help 人 with 内容:手伝う
- present 人 with~:【「与える」系with】
- inform 人 of 内容:【「与える」系of】
- rob A of ~:【「奪う」系 of】
- discourage 人 from Ving:【「妨げる」系from】
前半の6つは第4文型にしてしまう定番の単語たち。この知識を知っているかを問う問題でよく使われます。後半の4つについては次回また説明をします。
第4文型から第3文型への書き換え
最後は「第4文型から第3文型への書き換え」です。中学で習った人も多いと思うけれど、要は【人・モノ】の語順を反対で書くときは、その間に前置詞を書くというルール。
上と同じく前置詞が付くと修飾語になるので、同じ内容だけど第3文型で書き換えるという表現がされます。
なぜこんなことをする必要があるかというと、後ろに書かれたものの方がより伝えたい内容であるという感覚があるからです。
たとえば、バレンタインの直前に「今年は誰にあげるか」の話をしているシーンをイメージしてください。
このとき、あげるものはチョコに決まってて、それを「誰」に渡すかが知りたいこと。こういう場合は[チョコ 人]の順番になります。
でも、もうあげる相手が彼氏に決まってて、今年は「何」を渡すかって話をするとき、あるいは「彼氏にチョコを渡す」ことを淡々と述べたいとき、そのときは[人 モノ]です。
では、[モノ 人]の順番にするとき、間にどんな前置詞を入れればいいかというと、これがまた動詞によって【to】【for】【of】【on】に分かれます。以下がそれぞれの動詞。
【to】型
- bring:持ってくる
- deny:与えないでおく
- give:与える
- lend:貸す
- offer:申し出る
- owe:借金がある
- pay:払う
- recommend:薦める
- send:送る
- show:見せる
- teach:教える
- tell:言う
【for】型
- buy:買う
- get:手に入れる
- make:作る
- order:注文する
- save:取っておく
- spare:割く
【of】型
- ask:尋ねる
【on】型
- play:いたずらをする
見てもらえれば一目瞭然のように、to型が圧倒的に多く、for型はその半分、そしてof型はaskしか、on型はplayしかありません。
だからfor型とask・playを覚え、残りはto型と覚えればOK。ちょっとto型とfor型の区別に自信がない人、「これくらい頑張ろう」と言いたいけど、大丈夫、簡単な区別があります。
to型の動詞は、相手がいないとその行為を完了できません。誰もいないのに授業することを「教える」とは言わないでしょ。相手もなしに送られたものは、クロネコさんにとってはゴミでしかありません。
でも、買ったり作ったりすることは自分ひとりでできること。だから相手がいなくてもできることがfor型と覚えておけばいいのです。これで区別は簡単になったはず。
そしたら、この書き換えの話は「この動詞たちをみたらまずは第4文型の文を想像する動詞」のリストだと思ってください。
最初にも言ったように、SVと読んだ時点で後ろの形が想像できるようになると、格段に読みやすくなる。その力がとても重要です。
第5文型
第5文型の復習をしましょう。【SVOC】の型で、訳し方は2つ。「SはOをCと言う・思う・感じる」か「SによってOはCとなる」でした。
ここで1つ大事なことを覚えおいてください。第5文型は常にOとCの間に【is】があると思って意味を考えてほしいんです。
第2文型の補語が主語とイコール関係になるのと違い、第5文型の補語は目的語とイコール関係を作ります。このとき、ただイコール関係と覚えるのではなく、【S V O be C】と覚えましょう。
こうやって覚えることで、OとCの間に主語と述語の関係があると分かるでしょうか。I call the dog Pochi.は、the dog is Pochiと考えることで「その犬はポチである」と主語ー述語だと言うことができます。
もちろん、必ずしも第5文型はOとCの部分を「OはCである」と訳すとは限りません。そもそもさっき訳し方のところで「〜になる」と言いました。
この点では第2文型の説明でやった3つの意味のどれかということになる。だから第5文型はSVの後ろにさらに第2文型が入った形と言ったほうがより正確でしょう。
第5文型に関してはまずはここまでの理解でOKです。あとは補語の位置に準動詞がくるときの話が大事になってくるので、それは準動詞の説明が終わったところでやっていきます。
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