律令制度③〜税の種類と課税制度の話

律令制度の最終回。どんな税があって、どんな人が税を払わなきゃいけないのか。それから土地のタイプといった話をまとめたいと思います。

スポンサーリンク

税の種類4パターン

今もうそうですが、このころも一般人はものすごい税金を搾取されていました。今と違ってまだお金を使う文化がないため、税の払い方は2つ。物を納めるか、身体で支払うか。身体ってのはもちろん労働という意味ね。

また、税の納め先には国と地方の2つがありました。これは今も同じ。国税と地方税っていうやつです。だから税には①地方に物で②国に物で③地方に身体で④国に身体で、の4つのパターンがあったのです。1つずついきましょう。

地方に物でパターン

まず、地方に物で納めるパターンには3つ税がありました。公出挙義倉です。租は田んぼ一段につき2束2把(にそくにわ)の米を税金として納めなさいというもの。これはだいたい収穫量の3%くらいで、そんなにきつくありません。

逆にエグいのが2つ目の公出挙。「くすいこ」と読みます。当時、種は全て国が管理し、それを貸し付けるという仕組みを取っていました。その利息を利稲(りとう)というけど、これが5割。今、法律上は20%が上限です。ヤミ金レベル。

3つ目は義倉(ぎそう)。これは災害が起こったときに備えて強制的に国衙に貯めさせられるもの。たしかに何かあったときにはいいけど、基本そんなこと起こらないので、重たい税の1つとなっていました。

国に物でパターン

国に物で納めるパターンは2つ。(よう)と調(ちょう)です。さっきの租と合わせて「租庸調」は習った人も多いのではないでしょうか。庸は2丈6尺(にじょうろくしゃく)という長さの布を、調は各地の特産物を納めるものでした。

地方に身体でパターン

地方に身体で払うパターンの税を雑徭(ぞうよう)と言います。60日間、国衙に出勤していって働きます。毎年2ヶ月間も拘束されるのはけっこう鬼畜な労働です。

基本的には土木作業をやらされました。新しい班田を配るために、どんどん開墾しておかなきゃいけないので。

国に身体でパターン

最後の国に身体でパターンです。この話をする前に、ちょっと年齢区分の話をしなくてはいけません。

今、20歳までが子どもで、それ以上が大人、65歳を超えると高齢者みたいな区分がありますよね。これと同じように、21歳〜60歳までの男子を正丁といい、その前の17歳〜20歳を少丁、61〜65歳を老丁と言いました。

全てそのまま「せいてい・しょうてい・ろうてい」と読みます。少丁は中男(ちゅうなん)とも言い、税の負担は正丁の1/4。老丁は次丁(じてい)とも言い、負担は正丁の1/2となります。

この3つはあくまでも男の話。なので、あとで補足をするけれど、女性とこの年齢以外の男には税を納める義務がありません。

で、正丁という言葉の意味を分かってもらえたところで、国に身体で支払うパターンの話に戻ります。このパターンには歳役仕丁の2種類を覚えておきましょう。

歳役は10日間土木工事を行うもの。ただし、こういった肉体労働は身体の問題でできない人がどうしても出てきます。実は、そういう人が歳役の代わりとして納めるものが、さっき出てきた庸なのです。だからこの2つはどちらかでOK。

続いて仕丁、これはただの雑用です。50戸につき2人を出すことが義務付けられていました。前々回言ったように、1戸が25人くらいなので、だいたい1250人に2人くらいの確率で選ばれます。

あとは近くの人だけに特別に課される雇役というのもあるけど、この周辺民というキーワードだけ覚えておけば十分。ほぼ出ません。以上が税の話。ちなみに身体で払うパターンの税のことをまとめて労役というのを知っておいてください。

最後に、さっき納税の義務が無いと言ったけれど、それはあくまでもこの身体で返すパターンがないというだけ。口分田をもらってる時点で、租を支払う義務はあります。なので、女性とガキとジジイは租等の物でパターンは払うと覚えておきましょう。

兵役

国民の義務には実はもう1つ、兵役というのがあります。2、3年軍隊で働くもので、韓国とかには今もあって、韓流スターが入隊するときは結構ニュースになったりします。ファンの女性以外は「どーでもいいわ」って思うやつだけど笑

この兵役は3種類。軍団衛士防人です。軍団は各地で10日間、衛士は都で1年、防人は九州で3年間働くもの。正丁3、4人に1人くらいの割合で集合させられています。

この兵役のエグいところは、軍隊としての仕事ではなく、食料・武器・交通費が全部自腹というところにあります。どこに住んでいるかにもよるけど、歩いて九州に行くのは時間はもちろん超金がかかるもの。

このエグさが原因で、「土地なんかいらないから自由にさせてくれ!」って言って逃げる人が後を断ちませんでした。そんな人たちは4パターンに分かれます。浮浪逃亡偽籍私度僧(しどそう)です。

一応所在はつかめているけど、自分の土地からは逃げている人が浮浪、マジで行方不明な人が逃亡、戸籍を偽ってる人を偽籍、勝手に「俺は僧侶だから税金は払わなくていい」って言い張っている人が私度僧です。

土地の種類

律令制度の最後、土地の種類の話をします。くり返しになるけれど、この時代はお金を支払いに使うという文化がありません。だから金を持っているというのは、即ち土地をたくさんもっているということでした。

輸租田

まず、3つの土地を覚えてください。口分田位田(いでん)・功田(こうでん)です。口分田はもう話したとおりみんながもらえる土地、位田は前回話した位階に応じてもらえる土地、功田はご褒美としてもらえる土地のことです。

この3つは輸租田(輸租田)というタイプの土地でした。輸租田とは税金を払わなきゃいけない土地のこと。どんだけもらっても、租を1段につき2束2把などの原則は変わりません。

不輸租田

それに対して、このタイプは税金のことを考えなくていいよっていう土地もありました。単純に不輸租田といいます。こちらは4つ、神田(かんでん)、寺田(じでん)、職田(しきでん)、乗田(じょうでん)です。

神田は神社に与えられるもの。お賽銭の代わりみたいなものです。寺田はお寺に与えられるもの。お布施の代わり的なものかな。職田は役人になるだけで与えられるもの。職田・位田・功田をもらえるから役人は金持ちだったんです。

最後の乗田、こちらはあまった土地のことです。田んぼを一定の大きさずつに分けていったら、絶対最後あまりができるのが想像つくでしょ。そういうところはもうどうしようもないからタダであげられていました。

スポンサーリンク