何かを目一杯に楽しんだり、使いこなしたりしたいとき、そもそもその場に合うように頭を切り替えることが大事だったりします。
ディズニーランドに行くときは、みんなディズニーランドモードになるよね。あるいはUSJに行くときはやっぱりUSJで楽しむモードになっているでしょ。
リミッターを切るからこそ日常では到底装着不可な帽子やカチューシャをつけて楽しみ尽くせるし、また出るときに切り替えるからそれを学校でもつけたりしないわけです。
英語の勉強も基本はこれと同じ。日本語ではなくて英語を読んでいるんだ、そんな切り替えをどこかに持つことで、頭に入りやすくなり、先を予測できるようになります。
日本語と英語の違い
今回のテーマは日本語と英語の違いです。ここが分かれば英語を考えるときの頭の切り替えができるし、知らないとつい日本語の常識で考えて混乱することでしょう。
最初のころに並び替え問題ができないのは、ここが押さえられていないからです。ちょっと分かっていればすぐできるようになる、そんな大きな武器を身につけてください。
では、次の2つの文を見てみましょう。全く同じ内容を日本語と英語で書いたものです。
- 彼は彼女に犬をあげた
- He gave her a dog.
日本語で一番大事なのは「助詞」です。「彼は」や、「彼女に」のような、単語のうしろにちょこんとつく言葉。
「は」や「が」が付いたものは主語に、「を」や「に」が付いたものは述語の相手になるというように、どんな助詞が付くかによって日本語は意味が決まります。
だから単語と助詞のセットさえ同じなら、どう書いても意味は変わりません。「彼女に彼は犬をあげた/犬を彼女に彼はあげた/私はあげた彼女に犬を」。全部同じ意味ですよね?
一方、英語では「語順」が意味を決めます。つまり、一番最初の単語が自動的に主語と読み取られ、次が述語になるというように、どこにその単語が置かれるかで役割が自動決定するのです。
「彼 あげた 彼女 犬」だけで意味が分かるのが英語、助詞がないと意味が分からないのが日本語。語順が一番大事というのは、こういう理由となります。
もちろん単語の順番が変わったら意味も変わります。【He gave a dog her.】は「彼は犬に彼女を与えた」としか訳せません。おかしいと思っても、それ以外の解釈ができません。
「マジかよwww」って反応が返ってきてしまうので、自分で英文を作るときは十分この語順に注意しましょう。
英語の語順
語順の大切が分かってもらえたら、じゃあどんな語順?って話に進みましょう。英語は原則として【だれが】【する】【だれ・なに】【どこで】【いつ】の順番で書かれます。
「彼」が「あげた」よ、「彼女」に「犬」をね。って感じで考えてください。必要あればさらに「彼女の家」で、「昨日」ね、って付け足していけばいい。
ちなみに、赤色で書いたものが前回言った【文の要素】、そして青色で書いたのが「付け足し」と言ったとおり【修飾語】です。
主語になれるのは名詞だけでした。なので、さっき「最初の単語が自動的に主語」と言ったけど、正確には「最初の名詞が自動的に主語になる」。
このように細かい話をすればいろいろ出てくるけど、それも含めてだんだん無意識にできるようになります。
最初のうちは結構使える道具くらいのつもりで上の語順を覚えておいてください。
「AはBだ」の考え方
この英語の基本的な語順の話をすると、少し混乱するのが【AはBだ】の形の文です。「彼女はカワイイ」は、日本語的には「彼女」が主語で、述語は「カワイイ」と考えます。
ここまでの説明的には[She cute.]と書くのが正解です。よく理解しながら読んでくれている証拠。でも、ほとんどの人がこの文は【She is cute.】と書くことを知っているでしょう。
基本的に英語の「〜する」のところには日本語の述語を入れると思ってくれていいんだけど、この例からも分かる通り、この【AはBだ】パターンだけは【述語=補語】となります。
なぜ「〜する」のところにbe動詞を入れるのか、あるいは他の動詞が入ることはないのかについては、これも大事な話なので別のところで話します。
ひとまず【AはBだ】パターンの考え方が異なることを、日本語と英語の違い②として頭の片隅に置いといてくださいね。
今回のまとめ
以上が今回の「日本語と英語の違い」の話でした。この話をもとに、次回は文型の話に入っていきます。今回は以下の3点について話しました。
- 日本語は助詞が、英語は語順が意味を決定する
- 語順は【だれが】【する】【だれ・なに】【どこで】【いつ】
- 「AはBだ」の文は【A is B】と書く