不定詞の3用法の話に入りたいと思います。不定詞には名詞・形容詞・副詞の用法がありますが、今回はまず名詞的用法からです。
最終的には名詞・形容詞・副詞をきちんと区別ができなければならないので、1つずつ確実にパターンを整理していきましょう。
不定詞の名詞的用法
不定詞の名詞的用法とは、【to V ~】が1つのカタマリとして名詞1語と同じ働きをするものです。
そもそも名詞の働きは大丈夫でしょうか。念のための確認しておこう。
S・O・C・前置詞のOの4つ。もしパッと出て来なかったら、もう1度品詞の働きを復習してくださいね。3用法を学ぶに当っては本当にお願いします。
では、不定詞の名詞的用法のパターンを紹介します。【S・O・C】【仮主語・仮目的語構文】【疑問詞+toV】の3つで覚えてください。
S・O・Cになるもの
まずは上で確認したとおり、名詞の働きになっているものです。先に注意点からいきますが、名詞の4つの働きのうち、前置詞の目的語にだけは不定詞はなれません。
そもそも[to]があるので、その前にさらに前置詞がつくと不完全な文と勘違いしやすくなります。ので、不定詞の名詞的用法は【S・O・C】の3つ。例文にいきましょう。
- To play soccer is fun.
- I want to play soccer.
- My favorite activity is to play soccer.
各文の(to play soccer)をカッコでくくってみてください。ここが不定詞の部分で、1単語として考えると文の構造が見えてきます。
1文目がS、2文目はO、3文目は第2文型のC。「そうそう」と思えるでしょうか?英語に慣れてこないと、OやCを判断するのは意外と難しい。焦らずにやりましょう。
ひとまずこの3種類が分かったら、その他に一瞬で名詞的用法と判断してほしい形を2つ紹介します。【仮主語・仮目的語構文】【疑問詞+toV】です。
仮主語・仮目的語構文
【It is ~ toV】の形を仮主語構文と言います。もともと不定詞が主語だったものが、一旦[It]を主語の位置に置いて、後からゆっくり書いていくものです。
意味上の主語のところでちょろっと出しました。さっそく例文で見ていきましょう。先ほど挙げた不定詞がSになっているケースと、それを仮主語構文に変えたものが次の2つです。
- To play soccer is fun.
- It is fun to play soccer.
今はまだ3語しかない不定詞しか出していないけれど、どんどん長くなっていくことはよくあります。そのとき、この文がどんな骨格をしているのかが見えづらくなる。
だから、とにかく長いのは後に回してしまって、先に文型だけは分かるようにしようというのがこの形です。第2文型のことが多いけれど、どの文型でも使うことができます。
ちなみに意味上の主語でこの形を例文に使っていたように、仮主語の文で意味上の主語が置かれることはよくあります。
書かないと途端に一般論になってしまうので、書かれる可能性が高いのです。
- I found it impossible to study English by my own effort.
この[it]は主語だけでなく目的語の代わりにも使われます。考え方は同じで、とにかく文型を先に知らせることが最大の目的。
この形は第5文型の文で使われるので、【「自力で解くこと」=「不可能」】だと「分かった」と訳してください。これくらい長いと後ろにするのも分かりますね。
疑問詞+toV
見た瞬間に名詞的用法だと判断してほしいもう1つの形が【疑問詞+不定詞】です。不定詞の前に疑問詞があった場合、それも含めて不定詞句と考えてください。
そしてこれも必ず名詞的用法。基本的には目的語として使われます。使われ方がほぼ決まっているので、あとは訳し方を以下のようなパターンとして押さえます。
- 疑問詞を訳す
- [toV]のVを訳す
- 「べきか」or「のか」をつける。
必ずこの3ステップで処理をしていってください。そうすれば間違えないから。次の例文で実際にやってみましょう。
- He told me where to go.
まずは疑問詞を訳します。「どこへ」。次にtoVのVを訳す。「行く」。そして最後に「べきか」をつける。こうして「彼は私にどこへ行くべきかを伝えた」となります。
場合によっては「べきか」だとちょっと変なこともあります。そういうときは「のか」にしてもらえればOK。
なぜ先に「べきか」を考えてほしいと言っているかというと、この形はよく書き換え問題でも出題されるからです。
そのときは決まって【should】があった方がいいものが選ばれます。
だから、全てのときに当てはまるわけではないんだけど、「のか」より先に「べきか」をつけてみるクセを付けておいた方がいいです。
今回のまとめ
以上が不定詞の名詞的用法についての話でした。必ず【S・O・C】【仮主語・仮目的語構文】【疑問詞+toV】の3つをセットで言えるようにしましょう。
もちろん名詞的用法である以上、仮主語仮目的語構文も、疑問詞+toVも、SOCのどれかなので、3つを並べるのは本当はおかしいこと。
でも、問題で正解するためには【It ~ toV】の形を見た瞬間に「ここは名詞だ」と思えることが大事なので、こうして名詞的用法の形は3つなんだと覚えておいた方が楽だと思います。