不定詞の形容詞的用法についてです。3用法の中ではこれが一番簡単なので、特徴をしっかり押さえて残りの2つを余裕持って判断できるようにしましょう。
形容詞的用法は名詞修飾のみと考える
形容詞の働きは、名詞を修飾するか補語になるかのどちらかでした。2つがパッと言えるのは本当に大事ですが、不定詞の場合は名詞修飾だけになります。
というのも、名詞だろうが形容詞だろうが、不定詞は【toV】と決まっているので外見だけでは判断がつきません。
単語であれば名詞と形容詞で形が違う場合が多いので、区別する必要があるけど、不定詞はいつも同じ顔をしているので気にしなくていい。
もちろん正確なことを言えば区別はあるけれど、形容詞的用法の補語は【be to不定詞】と【第5文型の補語】という別の文法項目になっています。
とにかく、いわゆる形容詞的用法と言われたら、それは不定詞が名詞を修飾している用法のことだと思ってください。その整理が必ず理解を早めてくれます。
不定詞の形容詞的用法は3パターン
不定詞の形容詞的用法が名詞を修飾しているということは、その不定詞が形容詞的用法なら、直前に修飾される名詞があることになります。
これすごく大事です。前が動詞とかだったら形容詞的用法にはならないと一発で分かります。まずはこれを必ず確認しましょう。
そうしたら、次の3つの文の意味を考えてみてください。不定詞と名詞のつなげ方は、単純に「toVする名詞」としてもらえればOKです。
- He has a good teacher to support him.
- I have some friends to study with.
- She has a desire to be a Japanese idol.
「彼は彼をサポートしてくれるいい先生がいる」「私は一緒に勉強する友達たちがいる」「彼女はアイドルになりたいという夢がある」です。
「〜するための」とか、「〜すべき」といった意味を教える人も多いけれど、別に要りません。より良い訳にしたいと思ったら考えればいいよくらいのもの。
このように、不定詞が直前の名詞を説明していることが分かれば基本的には終了です。でも、より確信を持つため、そして問題に正解するためにはもう1段階深い理解をしておきましょう。
というのも、全て名詞を修飾する形容詞的用法ですが、その修飾方法には3パターンあるのです。それが【主格】【目的格】【同格】の3つ。1つずつ見ていきます。
主格
- He has a good teacher to support him.
修飾方法というのは、具体的には[toV]のVと、その直前にある名詞の関係性のことを言います。この「いい先生がいる」の文で、2つはどんな関係性でしょうか。
「先生が助ける」、つまり直前の名詞とtoVが【主語と述語】の関係になっていることが分かりますか?これを不定詞から見て【主格】と言います。
目的格
- I have some friends to study with.
2つ目は【目的格】、もちろんこれは【目的語と述語】の関係ということになります。[study with some friends]と言えますね。
このことから分かる通り、目的格のときは不定詞句の中で目的語が足りない状況が生まれます。前置詞のwithに目的語がないでしょ。
もちろん直前にある[some friends]が本来そこにあるものです。この近距離で2回も出てきたらウザいので省略されているのですが、詳しくは次の次の回でまたやりましょう。
とにかく、直前の名詞が不定詞の目的語になっているパターンが2つ目です。
同格
- She has a desire to be a Japanese idol.
不定詞の形容詞的用法、最後は【同格】と呼ばれるものです。他の2つが名詞とtoVを[S V]や[V O]と1つの文として読めたのと違い、同格は[名詞=toV]の関係性になります。
不定詞が名詞の内容を述べているものだと思ってください。例文はまず「夢を持っている」と言い、「アイドルになる」という夢の内容が不定詞で書かれているのです。
こんなふうに、「夢」とか「方法」とか、それだけだと「どんなだよ」って突っ込みたくなる単語に対し、後ろからその内容を言うのがこの同格の用法になります。
以上が不定詞の形容詞的用法の全パターンでした。形容詞的用法と言ったらすぐに「【主格】【目的格】【同格】」と言えるようにしてください。
somethingなど、~thingに注意
- I want something hot to drink.
形容詞的用法は以上の3つでいいのですが、もう1点【〜thing】と付く名詞を見たときは不定詞の形容詞的用法に反応できるようにしてください。
というのも、something、anything、everythingのように、〜thingとつく名詞には修飾する形容詞を全て後ろに置くというルールがあります。
なので、もし不定詞以外にも修飾する形容詞があった場合、不定詞の前にその形容詞が入り込んでいることがあるのです。
たとえば例文のように「温かい飲み物」は「飲む→もの」という、名詞と目的格の不定詞との間に「温かい」が入っています。
ここまでは不定詞の前に名詞があったら形容詞的用法を疑ってみようと言ってきましたが、この形だと前が名詞ではなくなってしまいますね。
なので、逆に[~thing]を見たら後ろの方に不定詞がないかを確認するクセを持っておくと便利です。
今回のまとめ
以上が不定詞の形容詞的用法についてでした。【主格】【目的格】【同格】と【~thing toV】の形、この4つを覚えておきましょう。