分詞の説明に入ります。【Ving】が形容詞として働くとき、それは動名詞ではなく分詞と呼ばれます。
だから分詞を理解するってどんなことを指すのかというと、1つは「このVingは形容詞として働いている」って判断ができるようになることだと思ってください。
それともう1つ、「ここには形容詞が必要」ってところで「ここでは形容詞、こっちでは分詞」と選べることもあります。この2つが揃えば大丈夫。
とにかく「分詞は形容詞」、これをまずは頭に入れてやっていきましょう。
分詞には2つの働きがある
今回から「分詞」の話をするわけですが、この言葉は準動詞の単元以前にも何回か登場していたと思います。
たとえば現在完了形。僕はあまり「分詞」という単語を使わなかったけど、あれは【have+過去分詞】で表します。他にも受動態や進行形でも使いました。
このように分詞はいろいろなところで使われるため、理解がバラバラになりやすい単元です。そこでまず「分詞は大きく分けて2つの働きがある」と思ってください。
- 動詞句の一部として働く:進行形・完了形・受動態
- 形容詞句として働く :名詞修飾・主格補語・目的格補語
「分詞」の単元で扱うのは主に②の形容詞句として働く分詞です。動詞句の一部として働く分詞はそれぞれ時制や受動態のところで話したことで十分。ここで付け足すことはありません。
なので、一番最初に言ったことに戻りますが、この単元で分詞と言ったら常に形容詞として働いている分詞のことを言っていると思ってください。
形容詞といったら、働きは2つ。名詞を修飾するか補語になるかのどちらかでした。この今回は名詞修飾と第2文型の補語の用法についてを一気にまとめていきます。
第5文型の補語については準動詞が全部終わってからやるので、もう少々お待ちください。
第2文型の補語になる動詞
それでは、先に第2文型の補語になる分詞から話していきます。一応、この補語のことを「主格補語」と言いますが、別に文法用語は覚えなくて大丈夫。以下の例文を見ましょう。
- The dog came running toward me.
- He sat surrounded by his family.
[running]と[surrounded]が補語になっている分詞です。前の動詞がそれぞれ自動詞だし(=Oにならない)、「犬=走っている状態」「彼=囲まれている状態」と言えますね。
このように分詞が第2文型の補語になっている場合、「VingしながらVする」と読んでください。Vするのと同時にVingをしている状態です。
もちろんVp.p.でも同じです。「Vp.p.されながらVする」というのが大まかな意味になります。
したがって、上の文は「その犬は私の方に向かって走って来た」であり、下の文は「彼は家族に囲まれて座った」となります。
このVがbe動詞のときを進行形あるいは受動態と呼ぶわけですが、be動詞は特別な動詞なので、全く同じような感じにはなりません。やはり別物と考えておいていいと思います。
ちなみに、前回の前置詞が省略できる動名詞の話も、前置詞がなくてもVingをこの分詞として読んじゃえばいいじゃんってことで、省かれてしまったものとなります。
分詞を置く位置
続いては名詞修飾の働きをする分詞についてです。次回とその次もこの用法の話をしていきますが、今回のうちに「どこに分詞を置くか」の話だけしてしまいます。
「白い犬」を英語にすると[a white dog]です。一方、不定詞の形容詞的用法は「前に名詞がある」という話をしました。この2つが頭にあれば、この話は簡単。
要は名詞を修飾する形容詞は、1語であれば名詞の前に、2語以上なら名詞の後ろに置かれるのです。ルールはこれだけ。
不定詞は[to V]と必ず2語以上になるので、常に名詞より後ろに置かれることになります。
ただ、分詞は1語のときもあれば、目的語や修飾語を伴って2語以上のときもあるので、そこらへんが少しめんどくさいところ。
「走っている犬」は[a running dog]だけど、「向こうで走っている犬」は[a dog running over there]です。
そして「向こうで走っている白い犬」だと[a white dog running over there]となります。「白い」と「向こうで走っている」は別々に犬を修飾しているので。
このように、どこまでが分詞句かを正確に捉えられるかがポイントになってくるので、よく考えながら読んでくださいね。
以上がまず分詞の基本として、最初に知っておいてほしいことでした。